Shelter /シェルター/「群れの保護」が原義
1.避難所 ; 隠れ場 ; 雨宿りの場所
小屋 ;〈雨露しのぐ〉宿,住い
2.〔…からの〕保護,避難
3.〔ホームレスの〕収容施設
Field /フィールド/「ある特定の広がりを持つ場」が原義
1.野原,原,野 《豊穣・無限の可能性の象徴》
2.実地の場,現場
3.戦場 「広辞苑」より
『 私たちが純粋で直接的な経験をするために、
象徴的知識を使うのをやめ、
つまりしばらくのあいだ論理的な考え方をやめ、
そのかわり自分自身の感覚が告げるものに頼るようになれば、
その不思議な力と出会い、理解することができるようになる…』
by ライアル・ワトソン
<ここで何をしているのですか?>
茨城県の山林で避難用のシェルターを兼ねた研修用施設と運営しています。東北の震災以前からのプロジェクトで、条件に合う用地は15年ほど前からリサーチし、用地は2007年に取得しました。
東京から車で約1時間強。現在このSHELTER & FIELDにてサバイバル研修やグリーンツーリズムの企画運営をおこなっています。(事業主体:パトランド)里山のなかに3つの研修棟、野外活動用のフィールド、作業用の工房、5台分の駐車場があります。
普段住んでいる東京ですが、首都直下型大地震や河川の氾濫による洪水、はたまた有事(戦争)の際は、インフラ復旧が相当厳しいものになり、都内には再び住めない最悪のシナリオも考えておく必要があります。そういった意味では「別荘」とは違ったもので、サバイバルのトレーニングフィールドと定義しています。
海外ではオフ・グリッド生活(公共の電気や水道が通っていない地域で暮らすこと)をフルタイムで実践している人もいます。それほど奇異なことではありません。これは文明社会への抵抗、つまりカウンターカルチャー精神の復活でもあり、都市生活の危ういインフラに対するリスクヘッジとも言えます。
シェルターでは電気と光ファイバーは引きましたが水道設備はありません。沢水や雨水を使ったり、バイオトイレで生活しています。 ちなみに北欧では水道の無い小屋のほうが高級だそうです。ようするに都市生活から原始生活への落差を意図的に創りだしているわけです。
さきほども言いましたが、このプロジェクトは世間で言うところのレジャー施設や別荘ではなく、野生への回帰や危機感の喪失に対する自覚がテーマとなります。そしてサバイバル能力を取り戻すための研修プログラムを周囲の方々と共有することが施設運営の目的となっています。
そして森林生活は、自分の神道者としての信仰実践の意味もあります。自分は神社本庁の神職資格者なんですが、生活上は在家神職で、どちらかというと古神道のほうに振れています。つまり机上の学問(神学)や社の管理ではなく、自然に対する畏敬が信条となっています。この感覚を持続させるには、こういった生活スタイルが必要で、これ即ち神唯の道と考えています。
週末や休暇中に通って森林整備、施設拡充などをやっていますが、山林は危険なことも多く、いろいろな状況変化を直感的に感じ取る必要があります。特に冬場は-10℃以下で常に緊張を強いられます。その反面、森には見たこともない美しい昆虫や山野草、あらゆる鳥類、イノシシや野ウサギなど生き物だらけです。自然からの情報量が都会よりも圧倒的に多いので、夜空の星をみているだけであっというまに時間が過ぎてしまいます。
まだまだ書きたいことがたくさんありますが、オフ・グリッドやサバイバル研修にご興味があるかたはブログをご覧ください。
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※標高が140メートルあります。各季節の眺めが最高です。